1945年8月15日、第二次世界大戦終戦。日本は、GHQ(連合国軍最高司令官総司令部)の占領下に置かれた。連合国最高司令官マッカーサーが厚木に降り立ち、GHQは第一生命ビルに拠点を置いた。正装の昭和天皇とラフな格好のマッカーサーが並んだ写真が新聞に掲載されると、国民は、敗戦の事実に改めて衝撃を受けた。
終戦直後に外務大臣に就任した吉田茂は、日本の再出発のため、旧知の仲である白洲次郎を呼び寄せる。彼は、ケンブリッジ大学の留学経験を持ち、抜群の英語力を備え、いかなる時でも筋を通す男。開戦前から既にアメリカとの戦争の敗戦を予測していた彼は、数年前に実業の第一線を退いて、東京郊外に移住し、農業に専念していた。
吉田は白洲に、GHQとの交渉役、終戦連絡事務局の仕事を託す。吉田は言う。「占領はすぐに終わる。だが、その間の対応を日本が間違えると、一度負けたどころか、二度も三度も負けることになる」。
その言葉を胸に、白洲は、交渉の最前線に身を置いた。彼の堂々とした態度は、GHQの度肝を抜いた。マッカーサーの側近でGHQ民政局長ホイットニーから流暢な英語を褒められると、白洲はこう返した。「あなたも、少し勉強なされば、すぐに上達なさいますよ」。
GHQは、日本の民主化と非武装化を求めて、占領政策に着手していく。間接統治とはいえ、GHQの力は絶対的だった。戦争犯罪人の逮捕が始められ、憲法の民主化が示唆された。国務大臣・松本烝治は、憲法問題は内閣の仕事であるという主張のもと、憲法学者を集めて、憲法改正に取り組んでいく。
だがそんな時、日本政府が想像し得なかったことが起きる。GHQ自らが、憲法草案作成の極秘プロジェクトを組んだのだ。ソ連に介入の余地を与えぬよう、ソ連が参加する極東委員会が発足する前に憲法草案を仕上げてしまうためだった。さらにGHQは、その憲法を日本が作ったものとして世界に公表しようと考えていた。草案完成までの期限は1週間。そのメンバーに憲法学者はいなかった。
そして1946年2月13日、外相公邸を訪れたGHQ民生局長ホイットニーは、外務大臣・吉田、国務大臣・松本、白洲らを前に、松本による憲法案は容認できるものではないと告げ、GHQ自らが作成した憲法草案を手渡す。呆然とする日本側。草案には、天皇を象徴とする条項と戦争放棄の条項が記されていた。
他国主導で自国の憲法が作られる、という国の危機に直面し、白洲は、日本側の考えへの理解を求めてGHQとの交渉の場に立ち続ける。勝ち目のない現状に苛立つ彼に、吉田は、本音を明かす。「従うふりしてやり過ごす。早くGHQに退散してもらって、早く独立することだ。独立すれば、また憲法も変えられる」。
だが、何とかしてGHQとの“戦い”における可能性を追求しようと懸命な白洲は、そんな冷静な吉田に激論を吹っ掛け、怒りをぶつけるのだった。一方、GHQ案をめぐり、閣議も紛糾していた。激高する松本。「自衛権すら持たないで、それを国家と言えるのか!」。
そんな中、深夜、吉田は白洲を伴い、密かにある場所に向かう。彼の胸には、一刻も早く日本の独立を勝ち獲ろうとする強烈な思いと、それに伴う覚悟があった・・・。
GHQ案をもとに憲法の改正を進めるべく、日本政府に強硬に迫る絶対権力のGHQ。日本としての意志を尊重した新憲法を目指すべく、国の威信をかけて抵抗する日本政府。
期限を切られて緊迫した状況の憲法改正の現場に身を投じ、白洲はGHQと対峙する。果たして、最後まで戦い抜こうとする白洲の、その熾烈な“戦い”の行方は?そして、吉田茂が白洲次郎と共に見据えた日本の未来とは?
製作年度
2020
上映時間
127分
映 倫
G
製作国
日本
提 供
「日本独立」製作委員会
配 給
シネメディア
©2020「日本独立」製作委員会
監督・脚本
ゼネラルプロデューサー
エダゼクティブプロデューサー
スーパーバイザー
企画
プロデューサー
撮影
音楽
照明
美術
録音
編集
音響効果
装飾
ポストプロダタションスーバーパイザー
衣装
特殊メイク
ヘアメイク
スクリプター
キャスティング
助監督
制作担当
ラインプロデューサー